カレーや肉じゃが、サラダにと、家庭料理に欠かせない「人参」。
特売の時に袋入りを買ったり、立派な一本売りを買ったりと、冷蔵庫に常備されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、料理によっては「1本は多いけれど、半分だけ使いたい」という場面がよくありますよね。そんな時、あなたは人参を「上(葉が生えている方)」と「下(先端の方)」、どちらから使っていますか?
「なんとなく切りやすい方から切っている」「残った形がきれいな方を残している」
もしそうなら、実は少し損をしているかもしれません。

今回は、元スーパーの青果担当であり、主婦歴18年の「ぱるとよ」が、人参を最後まで美味しく食べ切るための「使う順番」と「プロ直伝の選び方」をご紹介します。
- 使いかけの人参をよく冷蔵庫で腐らせてしまう人
- 野菜を少しでも長持ちさせて、節約につなげたい人
- スーパーでの「美味しい野菜の選び方」を知りたい人

まずは「鮮度の良い人参」を見抜くことから


袋入りの人参、いつも適当に選んでたなぁ…。

実は「先端」を見るのがプロの技なんですよ!
使いかけの保存の話をする前に、そもそもスーパーで買う時にチェックすべき「プロの目利きポイント」をお伝えします。どれも簡単なことですが、意外と見落としがちなポイントです。

1)袋入りは「先端」をチェック
お得な袋入り人参を買う時、袋の中で人参の先端(細くなっている方)が何かに当たって傷んだり、ひどい時は溶けていたりすることがあります。パッと見で全体がオレンジ色だと安心しがちですが、必ず袋の底の方まで見て、先端がしっかりしているか確認しましょう。
2)芯から「芽」が出ていないか
人参の頭(ヘタ)の部分にある芯を見てください。ここから小さな緑色の芽が出ているものは、収穫から時間が経っている証拠です。成長しようとして本体の栄養を使っている状態なので、味が落ちている可能性があります。
3)表面の「ハリ」と「シワ」
特に1本売りの場合、裸のまま陳列されていることが多いですよね。人参は外気に触れるとすぐに水分が飛びます。表面にシワが寄っているものは鮮度が落ちて水分が抜けているサイン。ハリ、ツヤのあるものを選びましょう。
結論:半分使うなら「上」から使うのが正解!

さて、本題の「上と下、どっちから使うか」問題です。

上と下、使い分けに正解なんてあるの?

あるんです!答えと理由を説明するね。
結論から言うと、「上(ヘタ側)」から使うのがおすすめです。
理由は、人参の「成長点」にあります。

人参のヘタの部分には成長点があり、そこから葉を伸ばそうとする性質があります。たとえ葉っぱが切り落とされていても、成長点は生きています。そのため、上(ヘタ側)を残して保存すると、人参は自分の栄養を使って成長しようとし続けるのです。

冷蔵庫に長く入れていると、ヘタからちょろっと緑の芽が出てきたり、芽が出ることでシナシナになったりした経験はありませんか? あれはまさに、成長点に栄養を吸い取られてしまった結果なのです。
ですので、半分だけ使う時は、先にこの「成長点」がある上半分を料理に使ってしまいましょう。そうすることで、残った下半分の栄養ロスや劣化を遅らせることができます。
乾燥を防ぐ! 正しい保存テクニック

残った下の部分は、はだかのまま冷蔵庫で大丈夫?

それは絶対ダメ!
上半分を使った後、残った下半分はどう保存すればよいでしょうか。
先ほどお話しした通り、人参にとって「乾燥」は大敵です。切り口はもちろん、皮の部分からも水分は抜けていきます。
おすすめの保存手順
1)ラップでぴっちり包む:空気をできるだけ抜くようにして、隙間なく包みます。
2)保存袋に入れる:ラップの上からさらにポリ袋やジッパー付き保存袋に入れます。これで二重に乾燥を防ぎます。
3)冷蔵庫(野菜室)へ:丸ごと1本の場合は「立てて保存」が基本ですが、半分に切ったものの場合は、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。空いているスペースに入れて、早めに使い切りましょう。

まとめ
- 買う時はまずは先端と芯を見る:先端の傷みや、芯からの発芽がないものをチョイス。
- 半分使うなら「上」から:成長点があるヘタ側を先に使い、栄養と鮮度の劣化を防ぐ。
- 保存は二重ガード:ラップ+保存袋で乾燥から守る。
いかがでしたか?
「上から使う」。たったこれだけのことですが、野菜室で人参がシワシワになる悲劇を減らすことができます。ぜひ今日の料理から意識してみてくださいね。
