「高いみかん」と「安いみかん」、何が違う? 元スーパー青果担当が教える”価格差の正体”とは?

冬の食卓に欠かせない「みかん」。

スーパーの売り場で「298円」と「598円」を見比べて、「結局どっちがお得なの?」「高いほうが美味しいの?」と迷ったことはありませんか?

この記事では、元スーパー青果担当で主婦歴18年の私が、みかんの価格の秘密と、最後まで美味しく食べ切るコツを伝授します!

この記事はこんな人におすすめ
  • スーパーで「高いみかん」と「安いみかん」で迷う人
  • 箱買いしてみかんをカビさせてしまった経験がある人
  • ハズレのない「甘いみかん」の見分け方を知りたい人
あひる君
あひる君

値段が倍も違うみかんがあるよ!

ぱるとよ
ぱるとよ

理由があるの。プロが教えるわ!

1. みかんの価格が決まる「3つの正体」

「同じ産地なのに値段が違う」のには、明確な理由があります。

スーパーで働く裏側の事情も含めて、価格差の正体を3つのポイントで詳しく解説します。

① 内容量(個数)による単価の違い

まず一つ目の理由は、単純に「袋に入っている量」の違いです。

みかんは市場から4kg〜10kgの大きな箱で店に届きます。それを私たち店員がバックヤードでお客さんの要望に合わせて「大袋」「中袋」「小袋」などに袋詰めし直して値段をつけています。

この時、基本的には「大きい袋(個数が多い)」方が1個あたりの価格はお値打ちになります。

【実際の価格差を計算してみました】

以前私が調査した売り場では、以下のような差がありました。

  • 小袋(7個入り598円):1個あたり約85円
  • 大袋(16個入り1,000円):1個あたり約63円

なんと、1個あたり22円も差があります!

味へのこだわりよりも「家族みんなでコタツでたくさん食べたい!」という場合は、迷わず大袋を選ぶのが家計の節約になります。

② 等級(糖度・見た目)の違い

「量もサイズも同じなのに値段が違う」場合は、「等級(ランク)」が違います。

みかんの産地では、独自の厳しい規格を決めています。「秀品」「優品」「良品」といった言葉を値札や箱で見たことはありませんか?これが等級です。

特に大産地では「光センサー」という機械を通し、みかんを切らずに「糖度」と「酸度」を計測して選別しています。

  • 高いみかん(秀品など):糖度が高く、皮に傷がなく見た目も美しい。
  • 安いみかん(優品・良品など):糖度が基準より少し低い、または見た目にスレ傷がある。

【糖度1度の差は大きい!】

今回購入したみかんを計測したところ、以下のような差が出ました。

  • 優品:糖度11.2度
  • 秀品:糖度12.1度

この「約1度」の差が、食べた時の「あ、甘い!」という感動の差になります。

価格が高いみかんは、言わば「甘さの保証代」が含まれていると考えてください。「今日は絶対にハズレを引きたくない」という時は、高い等級を選ぶのが正解です。

③ ブランド(栽培のこだわり)の違い

最後は「ブランド化」されたみかんです。これらは一般的なみかんとは栽培方法から違います。

例えば、長崎県の「味まる」や和歌山県の「味一ゆら」などは、「マルチ栽培」という特殊な方法で作られています。

白いシートを地面に敷いて雨水をコントロールし、木にわざとストレスを与えることで、実の甘さを極限まで引き出しています。

  • 特徴:皮が薄く、味が非常に濃厚。糖度12度以上など厳しい基準がある。
  • 価格:手間がかかる分、高い。

「ただのみかんじゃ満足できない」「とびきり濃厚なものが食べたい」という方には、このブランドみかんがおすすめです。

あひる君
あひる君

高いのにはちゃんと理由があるんだね。

ぱるとよ
ぱるとよ

用途に合わせて選ぶのが賢い買い方よ。

2. 元青果担当が教える「甘いみかん」の目利き

売り場で同じ値段・同じ等級のみかんが並んでいたら、どれをカゴに入れますか?

実は、ここにもプロが見ているポイントがあります。

迷ったら「小さいサイズ」を選ぼう!

同じ袋詰めのみかんでも、よく見るとサイズにバラつきがあります。

もし選べるなら、「小さいみかん(Sサイズや2Sサイズ)」を選ぶのがおすすめです。

大きいみかんは大味になりやすい一方、小さいみかんは細胞がギュッと詰まっており、味が凝縮されていて糖度が高い傾向にあります。

大袋を買った時も、まずは小さいサイズから食べてみてください。「当たり」の確率が高いですよ。

あひる君
あひる君

大きい方がお得だと思ってた!

ぱるとよ
ぱるとよ

小さい方が味が濃くて甘いのよ。

3. 腐らせない!最後まで美味しく食べる「保存術」

「箱買いしたけど、底の方からカビてしまった…」

そんな悲しい事故を防ぐために、正しい保存方法をマスターしましょう。

基本は「常温」で「重ねない」

みかんは買った袋や箱のまま放置するのはNGです。通気性が悪く、重みで傷んでしまいます。

  1. 袋から出す:通気を良くします。
  2. 涼しい場所に置く:暖房の効いていない部屋や廊下がベスト。
  3. 重ねない:なるべく平らに並べます。

冷蔵庫に入れるなら「ひと手間」を!

冬でも部屋が暖かくて涼しい場所がない…という場合は、冷蔵庫(野菜室)へ入れましょう。

ただし、そのまま入れるのは絶対にNGです。冷気で乾燥して皮がシワシワになり、味も落ちてしまいます。

  • 正しい冷蔵保存法:キッチンペーパーで包み、さらに袋に入れてから冷蔵庫へ。

このひと手間で、みずみずしさをキープできますよ。

あひる君
あひる君

そのまま入れてシワシワにしてた…。

ぱるとよ
ぱるとよ

乾燥対策をすれば長持ちするわよ!

まとめ

記事の要約!
  • :たくさん食べるなら大袋が割安。
  • 等級:甘さを保証してほしいなら高い等級(秀品など)を。
  • ブランド:濃厚な味を求めるなら「マルチ栽培」などのブランド品を。
  • 選び方:同じ値段なら「小さいサイズ」が甘い傾向アリ!
  • 保存:基本は涼しい場所で常温。冷蔵庫ならペーパーとポリ袋が必須。

みかんはビタミンも豊富で、冬の体調管理の強い味方です。

「今日は質より量!」「今日はお客さんが来るから奮発してブランドみかん!」と、シーンに合わせて賢く使い分けてくださいね。

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