スーパーに並ぶ数多くのお米、値段もピンキリで「何がどう違うの?」と感じたことはありませんか?
今回は、米卸歴10年の経験を持つ夫に、その違いを詳しく聞いてみました。価格の差には理由がありました。

※なお、昨今の米価格の高騰など市場状況の変化により、当てはまらないケースもあります。その点をふまえてご覧ください。
価格の安いお米の特徴は?
ブレンド米は安い傾向にある

「ブレンド米」とは、異なる年産や品種、産地のお米を組み合わせて作られたものです。価格を抑えやすい一方で、使用される原料によって風味や食感にばらつきが出やすいという特徴があります。そのため、コストを重視する飲食店や大家族に人気があります。
なお、ブレンド米の中にも美味しいものは多くありますが、商品ごとの品質差が大きいため、選ぶ際には注意が必要です。
外国産米は安いことが多い
外国産の米、特にアメリカ産カルローズなどは、国産米に比べてコストが安く、外食産業によく使われています。
近年の国産米価格の高騰に伴い、コストを抑える目的で外国産米がスーパーの店頭に並ぶ機会も増えてきました。
カルローズは中粒種で、国産米よりも粒が大きめでしっかりとした食感があります。食味は安定しており、価格重視なら選択肢として有力です。
業務用によく使われる銘柄は安い傾向にある

「みつひかり」や「あきだわら」のいわゆるB銘柄と呼ばれるお米は、育てやすく収穫量が多いのが特徴です。
そのため、仕入れ時の玄米価格が安くなり、白米の販売価格も低く抑えられます。コストを重視する業務用として、よく使われています。
価格の高いお米の特徴は?
ブランド米は高いことが多い

「北海道産ゆめぴりか」「山形県産つや姫」など、全国的に有名なブランド米は、品種改良や徹底した品質管理によって高い品質が保たれており、その分価格も高くなります。
また、日本穀物検定協会が発表する「米の食味ランキング」でも高評価を受けており、美味しさが裏付けられています。
こだわった栽培方法のお米は高いことが多い

「特別栽培米」「有機栽培米(JAS有機認証)」などは、農薬や化学肥料の使用を必要最低限に抑えて栽培されており、手間もコストもかかる分、価格は高くなります。
また、昔ながらの「はざかけ乾燥」など自然乾燥の方法を取り入れたお米は風味が良く、高値がつきやすい傾向があります。
まとめ
- ブレンド米や外国産米は、コスト重視で選ばれやすく、価格が安い
- B銘柄は収穫量が多く、業務用として安価に流通している
- ブランド米や有機米は、味や安全性にこだわりがあり高価格帯
お米の値段には、しっかりとした理由がありました。安いからといって悪い、高いからといって良いとは限らず、用途や好みに合わせて選ぶのがポイントです。
※本記事は筆者の取材をもとにした一般的な情報提供です。品種や販売状況によって例外もあるため、購入時は商品の表示や販売者の説明をご確認ください。