暑い季節に出回る「夏野菜」。どうしても「買ってきたらすぐ冷蔵庫へ」というイメージが強いですが、実はそれが鮮度や味を落としてしまう原因になっているかもしれません。

今回は、意外にも常温保存がおすすめの夏野菜3つをご紹介します。冷やすことで野菜の味が落ちてしまう理由や、保存時のちょっとしたコツもあわせて解説します。
※ここでの「常温」は、空調が効いた25℃前後の室内を想定しています。
1:なす

なすはその見た目からもわかるように、水分を多く含んだ柔らかい野菜です。しかし、実は低温にとても弱い性質があります。
冷蔵庫に入れると、表面が黒ずんだり、食感が悪くなってしまった経験はありませんか? それは「低温障害」と呼ばれる現象で、5℃以下の環境で保存すると劣化が進んでしまうのです。
【常温保存のポイント】
新聞紙やキッチンペーパーで包み、風通しのよい日陰に置いておくと鮮度にもよりますが2〜3日は美味しく保てます。
室内が30℃を超える場合は、袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
2:オクラ

オクラは熱帯アフリカ原産の夏野菜。高温多湿な気候を好むため、日本の冷蔵庫のような低温・乾燥環境は苦手です。
5℃以下では黒ずみや傷みが出てしまい、本来のシャキッとした食感や鮮やかな緑が損なわれてしまいます。
【常温保存のポイント】
袋から出して新聞紙でふんわり包み、通気性の良い場所に置いておけば2日程度保存可能です。
使いきれない場合は冷凍保存(生のまま冷凍orさっと茹でて冷凍)がおすすめです。ポリ袋に入れる場合は、口を軽く開けて通気を確保するとより安心です。
室内が30℃を超える日には、袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
3:ズッキーニ

見た目はきゅうりに似ていますが、ズッキーニはウリ科カボチャ属。そのため低温に強いわけではなく、冷蔵庫に入れると皮がシワシワになったり、内部が傷みやすくなります。
【常温保存のポイント】
1本ずつ新聞紙に包んで、直射日光の当たらない場所で保存しましょう。鮮度にもよりますが4〜5日ほどは常温で持ちます。
室温が高い(30度以上)ときは袋に入れて野菜室で保存しましょう。
カット後はラップで包んで冷蔵保存が必要です。
まとめ
- なす: 冷やすと食感が悪くなることがある。常温で2〜3日保存が◎
- オクラ: 低温に弱く変色しやすい。風通しのよい常温保存が最適(袋に入れる際は通気を確保)
- ズッキーニ: カボチャの仲間で冷蔵に不向き。新聞紙で包み常温保存を
つい「冷蔵庫に入れないと傷むかも」と思いがちですが、野菜の特性に合わせた保存をすることで、おいしさも長持ちします。
「え、ずっと冷やしてた…」と感じた方は、ぜひ次のお買い物から試してみてください。野菜の味わいがぐっと変わるかもしれませんよ。
※本記事は筆者の知識・調査・実体験に基づいた内容であり、保存環境や野菜の状態により結果が異なる場合があります。保存時は衛生管理にご注意のうえ、ご自身の判断でご活用ください。